◆一人でもデザインスプリント「5ハット」思考を切り替え
6月14日(土曜日)札幌で Build with AI 2025 EZO というイベントで発表しました。90分という短い時間でしたが、ポストイットやペンを使いつつ、1人でもできる(パーソナル)デザインスプリントを約40名の参加者の方々へ伝授しました。
本来であれば、5人前後のチームを組んで実施するデザインスプリント、それはそれで良いものなのですが、いつもベストなメンバーが集められるとは限りません。時にはひとりぼっちで何かアイデアを出さなければいけない時や、誰の助けも借りられない時もあるかもしれません。
そんな時でもなんとかなるのが、デザインスプリントでは帽子をかぶり直す、つまりは本来自分一人の考えや視点を5種類の多様性をもった人々に切り替えて考える手法を使います。例えば5人チームで実施しているデザインスプリントの場合、デザイナーとエンジニアとで意見が食い違うことがあるでしょう、また楽観的に物事を考える人と、悲観的に考える人でも意見や観点が異なることがあるでしょう。こういった視点や考えの多様性を、1人でも生み出せるのが「5ハット」です。
これはもともと「6(シックス)ハット」と呼ばれるブレインストーミングの視点の切り替え手法を簡略化して使いやすくしたものです。もともとの6ハットは次のとおり:
白い帽子 — 客観的・中立的
赤い帽子 — 主観的・直感的 / 感情的
黒い帽子 — 否定的・批判的 / 悲観的
黄色い帽子 — 肯定的・楽観的
緑の帽子 — 創造的・革新的
青い帽子 — 統括的・管理的 / 冷静・俯瞰的
例えば、コーディングもできるデザイナーの場合、デザイナー目線では、1ピクセルや角丸にこだわった革新的で細やかなデザインを実現したいと考えても、コードを書く際には、いろいろ面倒になってやりやすい方法で標準ライブラリで実装してしまったりすることはないでしょうか?
デザインスプリントでは、6ハット手法を簡略化し、それぞれの気持ちに切り替えやすい説明で、手軽に視点を切り替えて考えられるようになっています。この切り替え手法は一人で設計している時、一人でアイデアを練っている時など、本来複数でディスカッションしたいのに、それができずに自分一人しか居ない時に大変有用な方法です。
◆MiroのイベントCANVAS25が、10月14日開催が決定!
オンラインホワイトボードのMiro恒例、年に一度のイベントが米国時間で10月14日、ニューヨークとオンラインのハイブリッドで開催されることがきまりました。
単なる流行りを超え、本当の成功事例を聞く。世界トップクラスの基調講演から実践的なマスタークラス、製品の深掘りまで — チームがAIを活用し、Miroの最新のテクノロジーで成果を革新する方法を学びましょう! とのこと。期待大です。
◆怖くても進む。人生の重い選択と向き合う賢いアプローチ
選択肢は、いつだって二つ以上ある
「どちらかを選ばなければ」
そう思った瞬間、私たちは自らを狭い檻の中に閉じ込めています。
ポッドキャスト「The Unscheduled CEO」のホスト、ジョナサン・コートニーは、今回のエピソードで「自分で作ってしまったジレンマ」に向き合います。インスピレーションの源は、Derek Siversの著書『Hell Yeah or No』。ジョナサンはこの本の一章を読み上げながら、なぜ人は「AかBか」という二者択一の罠に陥ってしまうのかを語ります。
選択肢が「二つだけ」というのは幻想
人は迷ったとき、「辞めるか、続けるか」「やるか、やらないか」のように、極端な2択に結論を絞りがちです。ジョナサンが紹介したエピソードでは、友人が「今の仕事を辞めて起業するかどうか」で悩んでいました。しかしDerekは、こんな提案をしました:
会社を辞めずに副業で起業し、収益が給料の50%に達したら辞める
勤務中に自分の事業に専念して、クビになるまで粘る(笑)
起業案を上司に提案し、社内ベンチャーとして取り組む
いっそニュージーランドに移住してツアーガイドになる
このように選択肢を広げることで、友人は「実は起業したいわけではなく、今の状況から逃げたいだけだった」と気づきました。
自分の思考パターンこそが「檻」になる
ジョナサン自身も、これまで何度もこの「2択の罠」にハマってきたと言います。AJ&Smartのコンサル事業を辞めるか続けるかで悩んでいた時も、Facilitator.comを10億円事業に育てることだけに固執していた時も、思考の幅が狭かった。でも、メンターからの一言や新たな視点によって、「実はもっと柔軟な道がある」と気づくことができたといいます。
例えば:
AJ&Smartの事業を小さなチームに分割し、自分は必要に応じて関わる
プロジェクト単位での関与に切り替え、精神的な負担を減らす
Facilitator.comだけに賭けるよりも他事業も組み合わせた収益構造に切り替える
もうこの章は終わったという考えが、あなたを縛る
特にジョナサンが気になっているのは、「人生の章立て」という思考です。
子どもができたから、キャリアは諦める
都会に飽きたから、田舎に永住する
家族を優先するから、自分の趣味は封印する
こうした「潔い決断」は一見カッコよく見えますが、長期的には後悔やフラストレーションにつながることも。中には「ビデオゲームは奥さんが許す土曜だけ」「昔はやってたけど、今はもう年齢的に無理」と、自分の楽しみすら制限している男性たちの話も。ジョナサンは、年齢や立場によって人生を狭めるこの感覚に、疑問を投げかけています。
決断に必要なのは「勇気」ではなく「創造力」
どの選択にも葛藤はつきものです。時には感情を傷つけることもあるし、社会通念に逆らうこともあるかもしれません。でも、「本当にそれは2択なのか?」と立ち止まって考えるだけで、新しい道が開けるのです。
たとえば──
・田舎に引っ越す前に、6ヶ月だけAirbnbで仮住まいを試してみる
・仕事を辞める前に、週4勤務にしてみる
・子育てと仕事を、数年間スイッチしながら両立してみる
そんな「お試し選択肢」を自分で用意しておくだけで、人生はもっと軽やかに、創造的になります。
あなたの2択も、実は3つ以上あるかもしれない
「もう終わりだ」と思ったとき、「やるか、やめるか」と迷ったとき。
それは、あなた自身が生み出した幻想かもしれません。選択肢は、常に二つ以上ある。ジョナサン・コートニーのこのエピソードは、私たちの思考の幅を取り戻すヒントに満ちています。
次に迷ったとき、ぜひ自分にこう問いかけてみてください。
「他にもあるんじゃないか?」
札幌に行ってきました。玉ねぎおいしい、ラーメンおいしい、お刺身おいしい、スープカレーおいしい、焼鳥おいしい、シメパフェおいしい。深夜まで街には活気があって個性的な飲食店も多い。今回ランプライトブックスホテルに泊まりました。食とミステリーに関する選書がなされた書棚があり、とても心地よかった。24時間空いているのもポイント。またいきたい。今度行った時は美唄焼鳥を食うぞ!
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