◆MUJIのミシン目入りマスキングテープ最高!
模造紙やA4コピー用紙を壁やホワイトボードに貼るときによく使っている太めのマスキングテープですが、無印良品の商品が「ミシン目入り」でちぎりやすく、ちぎっても綺麗に切れるので超オススメです。クラフト色と、白色があって、模造紙などを貼るなら白色が便利。写真はクラフト色ですけど。油性マーカーで文字も書けます。
クラフトはひと巻き7mで350円、白色は10mで290円です。無印あなどれん…
https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550182913910
◆AIブームに飲まれず、「本当に役立つ」プロダクトを築く
イベントの冒頭、登壇者紹介を行ったのは、なんと“本人そっくり”の合成音声とアバターでした。「こんばんは、GVのパートナー、Viduです」と始まったこの挨拶は、観客にAIの進化の速さを見せつけつつ、「でも僕の魅力までは再現できないよね」と、ユーモアで締めくくられました。これこそ、AI時代の演出です。
今回GV(グーグルベンチャーズ)のイベントに登壇したのは、AI動画生成プラットフォーム「Synthesia」のCEO、ヴィクター氏。彼はデンマーク出身で、幼少期からSFとコンピューターに夢中。優秀な開発者ではなかったが、自ら手を動かしモノづくりを楽しんでいました。転機となったのはロンドンで出会った共同創業者、マティアス・ニースナー教授との出会い。彼の研究が「ディープフェイク」として知られる技術の端緒となったのです。
2017年、資金わずか100万ドルでスタートしたSynthesia。当初から掲げたのは、「動画制作のコストとスキルの壁をゼロにする」ことでした。最初に挑んだのはAIによる翻訳と吹き替え。しかし技術的には不安定で、収益も限定的。そこで彼らは思い切って方向転換を決意します。
鍵を握ったのは、"動画を作りたくても作れない人々"の存在だった。特に企業の教育・研修分野では、PDFやPowerPoint資料だけでは伝わらない課題が山積していました。カメラ不要、テキストを打てばAIアバターが説明してくれる──そんな動画生成が、多くの企業にとって「救世主」となったのです。
彼らが成功した背景には、「イノベーションの落とし穴」を避け続けた意思決定にあります。例えば、「VR空間にアバターを配置してバーチャルオフィスを作ろう」という大手企業の提案もありました。しかし「本当に人間が毎日ヘッドセットを付けて働くか?」と冷静に問い直し、その道は選ばなかった。
また、Synthesiaは単なるAI技術提供にとどまらず、台本作成から編集、翻訳、配信までを一貫して提供する「動画制作のためのSaaSプラットフォーム」として進化していきました。UIもPowerPointに似たシンプルな設計で、動画編集に慣れていない社員でも直感的に使えるよう工夫されています。
AIが進化する今、毎日のように新たなアバター技術や生成動画サービスが登場しています。だがヴィクター氏は、「本当に差がつくのは、ユーザーの業務フロー全体を深く理解し、それに寄り添った製品を提供できるかどうか」だと語します。
最後に、これからスタートアップを始める人に向けたアドバイスとして彼が語ったのは、
「ユーティリティ(実用性)か、ノベルティ(物珍しさ)かを常に問い直せ」
AIの世界は常に目新しさに満ちています。しかし、流行に振り回されず、地に足のついた価値を提供できるかどうか。そこに、長く生き残る企業の条件があるのです。
◆Behind the Canvas: Miro でイノベーションを推進
未来の働き方をかたちに
──Miroが描く「イノベーション・ワークスペース」の全貌
オンラインイベント、Behind the Canvas の冒頭、Miroが本拠地を構えるアムステルダムの新オフィス「Miro 100」に言及がありました。新オフィスは、全ての部門が一か所に集約された非常に開放的で、コラボレーションを促す空間です。ロビーにはウォーキングマシンが設置されており、立ち会議ならぬ“歩き会議”が新たな定番になるかもしれません。
さて本題は「イノベーション・ワークスペース」。これは、昨年の「Canvas 24」で発表されたMiroの次なるビジョンであり、AIファーストの世界における、よりスムーズで影響力のある働き方を実現するものです。
コラボレーションの障壁を取り除く、新しい機能たち
多くのアイデアは複数部門の協力によって生まれますが、実行フェーズに進むにつれて摩擦や障壁が生じます。Miroはこのギャップに注目し、製品や機能の改善を進めてきました。
その一つが新しいフォーマットの導入です。たとえば「ダイアグラムモード」では、図を描くためのグリッドやレイヤー、整列ツールなどが充実し、より直感的にビジュアルを構築できます。また、「プレゼンテーションモード」も刷新され、Miro上でそのまま洗練されたスライドを作成・共有可能に。PDFのインポートも可能で、さらにインタラクティブ要素(スピナー、フリップカードなど)を取り入れることで、プレゼンすらコラボレーションの場へと昇華させています。
データを活かす新機能:テーブルとタイムライン
「Canvas 24」でベータリリースされたテーブルとタイムラインも正式リリースに向け進化を遂げました。新しいフィルターやグループ化、非表示機能など、データを「見せる」方法を柔軟に変える一方で、内容そのものは保持されます。Jiraなどとの双方向同期も可能で、最新情報が常に反映される仕組みです。
さらに、AIを活用して付箋からテーブルを自動生成したり、ブランドスタイルに沿ったプロトタイプを画像から生成することもできます。Miro AIの進化は、チームの思考スピードと表現力を飛躍的に向上させてくれるのです。
AIとコラボレーションを結ぶ架け橋:「Miro Insights」
もうひとつ注目したいのが、情報の“散在”を解消する「Miro Insights」です。たとえば、GongやSalesforceといった外部ツールからのフィードバックをAIが自動で集約し、ボード上にストーリーとして可視化。それぞれの情報がカード化され、必要に応じて詳細な録音まで確認できます。まさに「チーム間の橋渡し」となる機能であり、部門を超えた連携を強力に後押しします。
空間の整理と多機能連携を担う「スペース」機能
Miroではプロジェクトを進めるための“場”として「スペース」機能が進化しました。セクションで内容を整理したり、FigmaやGoogle Workspace、Power BIなど外部ツールを埋め込むことで、プロジェクトの全体像を一つの画面上に集約できます。
このようなスペースの体験を再定義するため、Miroは新しい製品デザイン「Miro オーラ」も発表。よりシンプルで親しみやすく、視認性の高いインターフェースへと刷新されました。
OKRの運用からスプリント計画まで、Miroが支える業務の青写真
OKRやロードマップの策定、スプリント計画に至るまで、あらゆる業務プロセスをMiro上で完結できるよう設計されています。チームごとの計画が一つの大きなロードマップに集約され、全体の目標と自分の仕事のつながりが明確に可視化されます。
また、AI活用による業務変革も注目すべき取り組みです。プロジェクト初期の設計段階では、「斧を研ぐ」ことを重視し、社内のギャップや課題を丁寧に見極め、データの不備やガバナンスの不備などに対応します。ここでもMiroのボードが、複数部門を巻き込む土台となっています。
働き方の変革を加速する「ブループリント」の提供
そして、これらの進化をテンプレートとして再利用できるのが「ブループリント」です。Miroの公式テンプレートギャラリーには、OKR設定、プロダクトデザイン、AI変革など、さまざまなシナリオに対応するテンプレートが用意されており、すぐに実践に取り入れることができます。パートナー企業やコミュニティの協力によって、多様な業務フレームワークが形成されている点も注目に値します。
Miroが目指すのは、ただのオンラインホワイトボードではありません。情報が一か所に集まり、AIと人がシームレスにつながり、部門間の垣根を越えて協力できる「仕事場そのもの」の再定義です。
◆
ドイツのDesign Sprint AcademyがJake Knappらの新著「Click!」で提言しているFoundation Sprint について解説しています。続編はまた次回紹介します!
方向性がバラバラなチームを一気にひとつにする
──「ファンデーション・スプリント」という戦略的2日間
想像してみてください。あなたは、満員のバスの運転手。乗客は皆、声を上げて行き先を指示します。「北へ行け」「いや南だ」と、誰もが自分の意見を主張してやみません。燃料は少なく、イライラもピーク。それでも誰もが口にするのは「まだ着かないの?」という言葉ばかり……。
そんなときに有用なのが、ファンデーション・スプリントです。これは、プロジェクト初期において方向性を明確にし、チーム全体の合意形成を一気に進める2日間の集中ワークショップです。Jake Knapp氏とJohn Zeratsky氏が開発し、書籍『Click!』でも紹介されているこの手法は、無駄なミーティングを減らし、限られた時間で意思決定と仮説構築を行えるように設計されています。
■Day 1:基盤を整える日
初日はチームの共通認識を作ることに注力します。「誰のためのプロダクトなのか」「どんな課題を解決するのか」「我々の強みは何か」「競合は誰か」といった問いに答えながら、チーム内の認識のズレを修正していきます。最後には「ミニ・マニフェスト」と呼ばれる宣言文を作成し、2日目への士気を高めます。
■Day 2:方向性を選ぶ日
二日目は、複数の解決アプローチを検討し、それぞれのメリット・デメリットを評価します。「顧客体験」「技術的実現性」「スケーラビリティ」「費用対効果」といったレンズを通して各案を比較することで、感覚的な議論ではなく、理性的で納得感のある意思決定が可能になります。そして最後に、「誰の」「どんな課題を」「どう解決するか」そして「なぜ我々が選ばれるのか」を一文でまとめた「ファウンディング・ハイポセシス(戦略的仮説)」を完成させます。
■成功のカギは「誰がその場にいるか」
このスプリントの成否を分けるのは、参加者の構成です。方向性を決定する責任を持つ「ディサイダー(意思決定者)」を筆頭に、顧客を理解するマーケターやリサーチャー、実現可能性を見極めるエンジニア、体験を描くデザイナー、そして市場に届けるグロース担当者。これらのバランスが揃ってこそ、現実的かつ意義ある戦略が生まれます。
■ファシリテーターは「指揮者」
多様な立場の人が集まる場では、議論が脱線したり、堂々巡りになったりすることもしばしば。そこで重要なのがファシリテーターの存在です。プロセスを熟知し、要所で問いを投げかけ、議論を意思決定へと導く指揮者のような役割を果たします。
■どんなときに活用すべきか?
・新しいプロダクトに投資すべきか迷っているとき
・アイデアが多すぎて優先順位がつけられないとき
・会議が繰り返されるばかりで、結論が出ないとき
このような場面こそ、ファンデーション・スプリントの出番です。明確な戦略を2日間でつくり上げることで、組織は自信をもって次のステップに進むことができます。
■スプリントの先にあるもの
重要なのは、ファンデーション・スプリントは「すべてを解決する場」ではないということです。ここで得られるのは、あくまで仮説であり、方向性に対する合意です。実際の検証やプロトタイピングは、次のステップである「デザインスプリント」に委ねられます。
つまり、「何をつくるか」を決めてから、「それが本当にユーザーに求められているか」を確かめる。その黄金の流れを生み出すのが、このファンデーション・スプリントなのです。
先週今週は毎年恒例の大規模デザインスプリント実施中。来月は大阪や神戸で、再来月は札幌でも何かやります!おいおい告知します!
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