【デザインスプリント】Design Sprint Newsletter #154
魂のなせる技に限りはない / There is no end to what the Spirit can do.
◆Design Matters Tokyo 2024 の醍醐味と余韻
デンマーク発祥のデザインカンファレンス、Design Matters Tokyo 2024 今年のテーマは 「クラフトマンシップの逆襲」「デザインの次なる地平」「社会のデザイン」でした。多種多様なセッションそれぞれが骨太のテーマを取り上げ、プレゼンターそれぞれが体験と経験に基づいたその人ならではの考えを参加者の皆と共有し、考える、考え始めるきっかけを得るような数々の素晴らしいセッションでした。
X (元Twitter) で #DesignMattersTokyo24 を追うと、いろいろと様子が楽しめます!
機会があれば、またどこかで詳しくレポートします。
◆イベント紹介:6/29, 30 金沢大学でデザインスプリント!
https://gdgkwansai.connpass.com/event/316372/
Googleが支援する学生主体の開発者コミュニティ、GDSC金沢大学のメンバー主催で、6月29日(土曜日)、6月30日(日曜日)と、半日 x 2回連続のデザインスプリントを実施します。現地までの交通費は各自ですが参加は無料です。要事前登録です。
テーマそのものもデザインスプリントの中で導き出し、生成AIなども活用しつつ作業を進める、とても楽しい2日間になるハズです。学生から社会人まで、スキルや経験の有無、業種に関係なく参加できますので、みなさまお誘い合わせのうえぜひお越しください!
僕はというと、6/28から金沢に前泊するので、なにかイベントや、オススメの場所があればぜひ教えてください!時間があれば金沢21世紀美術館のタレルの部屋でボーッとする予定です。寿司も食べたい。美術館周辺のギャラリーや甘味処も攻略したい!
◆Miroのモバイルアプリからビジターモードが使えるように
Mobile app
https://help.miro.com/hc/en-us/articles/360017572834-Mobile-app
Miroのアカウントを持っていない人、ワークショップの時だけの参加者などを、オンラインホワイトボードMiroのボードに招待する場合、ビジターモードを用います。
そのビジターモードがタブレット端末や、スマートフォンなどのアプリ版Miroからも使えるようになりました。
その他、5月のアップデートは次のURLにまとめられています。
What’s New: What we launched in May 2024
https://miro.com/blog/what-we-launched-may-2024/
プランナーの列とスイムレーンに担当者を追加する
Miro に組織図ウィジェットの導入
新しいダイアグラム作成テンプレートで時間を節約
Miroモバイルアプリで訪問者をコラボレーションに招待する
Miro Assistがチームのアクセシビリティを向上
オブジェクトを前方または後方にインクリメンタルに配置
AI対応テンプレートで次のプロジェクトがより簡単に
◆優れたビジネスプロセスを設計するための6つのステップ
6 steps to design a better business process with Design Sprints
https://medium.com/@eranium/6-steps-to-design-a-better-business-process-with-design-sprints-ff15633f7231
ステファン・エルシュヴェンナーさんによるこの記事は、ヨーロッパのさまざまな業界のクライアントと行った100回以上のデザインスプリントの広範な経験から得た知見から作り出された、ビジネスプロセスを向上させるためのデザインスプリントの包括的なガイドです。主なステップと戦略は以下の通りです:
エンドツーエンドプロセスの把握
最適化するプロセス全体を徹底的に理解することが重要です。全体像を把握することで、依存関係を特定し、パフォーマンス改善のポイントを見つけ、全体の効率を向上させることができます。
サービスデザインとプロセスデザインのテンプレート活用
プロセスマッピングを効果的に行うために、サービスデザインやプロセスデザインのテンプレートを活用します。これにより、チームメンバー間で共通の理解を持ち、役割と責任を明確にすることができます。
ステークホルダーの関与
デザインスプリントの成功には、ステークホルダーの積極的な関与が不可欠です。ステークホルダーの参加は、プロセスデザインの受容を高め、所有感を醸成します。
外部から専門家の招待
デザインスプリントに外部から専門家を招くことで、新たな視点と革新的なアイデアを取り入れることができます。これにより、チームの創造力が高まり、迅速な意思決定が促進されます。
リアルデータのシミュレーション
デザインスプリント中に提案されたプロセスデザインの有効性を確認するために、実際のデータを用いたシミュレーションを行います。これにより、設計の弱点を早期に発見し、迅速に調整することができます。
最終結果の効果的なプレゼンテーション
スプリントの結果をステークホルダーに効果的に伝えることが重要です。プロセスマップや図表を成功事例として翻訳し、組織への利益と価値を強調することで、プレゼンテーションの効果を高めます。
以上、組織デザインからコミュニケーションまで、さまざまなビジネスの課題に対処するデザインスプリントが様々なところで生かせること、ものづくりの内部プロセスを大幅に改善するのがデザインスプリントであると提言しています。
◆デザインスプリントをジェネレーティブAIで強化する方法
Boost your design sprints with Generative AI
デザインスプリントをジェネレーティブAIで強化する方法 - マーカス・フェルケル
https://bootcamp.uxdesign.cc/boost-your-design-sprints-with-generative-ai-093b4db54652
マーカス・フェルケルさんは、カスタムGPTを用いて、デザインスプリントとUXリサーチプロセスをどのように改善したかを紹介します。この記事は、AIツールがユーザーの理解と作業の効率性をどのように変革したか、そしてAIは仕事を奪うものではないことを明言しています。
デザイン思考と人間の相互作用
著者は、パンデミック中のリモートワークによって影響を受けた対面デザインスプリントとワークショップでのエネルギーと創造性を懐かしんでいます。物理オフィスへの復帰により、共同で問題を解決することへの情熱が再燃しました。
UXリサーチにおけるAIの利用
2023年春以来、チームはChatGPT 4をブリーフィング、テストスクリプト作成、仮説生成、結果分析に利用しています。AIは新米の同僚のように機能し、ユーザーの共感とニーズに焦点を当てるのを助けましたが、効率性は向上したものの、創造性と楽しさは増しませんでした。
カスタムGPTとChatGPT Team
カスタムGPTとChatGPT Teamの導入により、AIアシスタントを構成し、クライアントやステークホルダーと共有できるようになりました。これにより、デザインスプリントでのAIの協力的かつ統合的な使用が可能になりました。
デザインスプリントの再設計
3日間のデザインスプリントでは、専門家のインタビューの認知負荷を軽減するために、AIを活用しました。BEEYという文字起こしソフトウェアとカスタムGPTを用いて、データ駆動の洞察を得ました。この方法により、複雑さが軽減され、品質が向上しました。
GPT Mention
2024年1月にリリースされたGPT Mention機能により、複数のGPTが単一のチャット内で相互作用できるようになりました。これにより、デザインスプリントプロセスにおけるシミュレーションと共同作業が促進されました。
RelumeとFigmaを用いたプロトタイピング
チームは、Relumeというテキストからワイヤーフレームを生成するAIをFigmaと連携して使用しました。これにより、ワイヤーフレームの作成と編集が効率化され、インタラクティブなプロトタイプの作成が迅速に行われました。
学びと結論
AIは効率性と創造性を向上させましたが、共感や相互作用といった人間要素は依然として重要です。AIの統合には慎重なバランスが必要であり、人間の関与を確保することが重要です。AIの能力にもかかわらず、洞察を解釈し適用するには、人間の判断、直感、共感が不可欠です。
ジェネレーティブAIツールはチームの能力を拡張し、より創造的で革新的なソリューションをもたらしました。しかし、ユーザー中心のプロセスにおいては、人間としての要素が依然として重要であり、AIは人間の貢献を補完する役割を果たします。
Design Matters Tokyo 2024 ほんと楽しかった。示唆に富んだ話で、いろいろ考えされされました。運営のみなさま、お疲れ様!ありがとうございました!来年も参加するぞ!そしていつかコペンハーゲン本国の Design Matters に参加してみたい!
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