◆A Taste of Design Matters Tokyo 23
https://designmattersjp.connpass.com/event/273014/
6月に開催されるデザインカンファレンス Design Matters Tokyo 23 のプレイベントです。オンライン開催ではありますが、雰囲気や内容の充実度を感じることができると期待しています。タイトルどおりカンファレンスの「味見」ですね。
発表者は Nike の Generative Design のトップ Lysandre Follet さん、ドイツと東京を拠点とする iA の Oliver Reichenstein さん、習慣やルーティンを通じて人々の幸福をより良くすることに取り組む日本のスタートアップ Nest の Shiho Yokoyama さんの Lightning Talk がイベントに先駆けて視聴可能です。参加費無料です。
NikeがGenerative Designを取り入れたのは数年前のこと。デザイナーが作った形状やパターンではなく、コンピュータ上のアルゴリズムによって形状の最適化や素材を考慮したパターン生成などを行い、それが結果的になぜか自然物のような美しさをもつという建築家ルイス・サリヴァンによる「形態は機能に従う」を具現化したものです。2016年のリオオリンピック公式シューズのソールのデザインもGenerative Designです。人間が関わってはいますが、人間が生み出したのではない不思議な美しさがあります。
◆企業文化にデザインスプリントが浸透:クックパッド
クックパッド会社説明資料
https://speakerdeck.com/cookpadhr/cookpad-designer?slide=31
レシピや生鮮食料品のロッカー販売など、食にまつわるさまざまなサービスを手がけるクックパッドの会社説明資料です。デザイナーの評価基準や社内の仕事の雰囲気などが良くわかる資料です。
なかでも「部署横断型でのデザインスプリント実施:新規事業の立案や新機能開発には、部署横断型で3日間のデザインスプリントを実施しています。」と明記あり。
一方、業績悪化により6事業廃止との発表もあり、心配ながらも応援するところです。競合が多数いる世界で、パンデミックや為替変動の影響の中、単純に良いサービスや良いプロダクトだけでは勝負し続けられないのが難しところです。
◆GV(Google Ventures) が指南するデザイン批評のやり方
GV Guide to Design Critique
https://library.gv.com/guide-to-design-critique-86ebf499bed5
少し古い記事ですが、GV(旧グーグルベンチャーズ)の Braden Kowitz氏が指南するデザイン批評の方法、心がけについて抜粋して紹介します。デザイン批評は、デザインスプリントの中でも重要な要素の一つです。
誰にとっても、最も重要なアイデアは、デザイン批評の目的を理解することです。すなわち、デザイナーが製品を改善できるようフィードバックするために、デザイナーは存在しているのです。デザイナーは、製品がうまくいっていない時に誰かのせいにしたり、その場で全然別の、より良いソリューションを立案するためではありません。デザイン批評は、デザイナーが自身のデザインを向上させる役に立つものでなければいけません。
そのため、目的を何度も確認し、どうしたら良いフィードバックができるか、皆に思い出してもらうことから批評を開始します。ここでは批評に役立つと思ういくつかのガイドラインを紹介します。
●率直であるべし ― 後で個別に疑念を述べるだけで、批評の間に沈黙しているのは誰の役にも立ちません。企業内の肩書や役割にかかわらず、全員からのフィードバックを奨励しましょう。
●具体的であるべし ― 何がうまくいって、何がうまくいかないのか、できるだけ詳細に説明しましょう。全体的にデザインが機能していないと言いたいのなら、多くの参考情報で裏付けできるように準備してください。
●目標にすべてを結びつけるべし ― 批評は、デザインに対する自分の好き嫌いではありません。良いフィードバックは、デザインがいかに顧客の目的やビジネス目標を達成している(またはできていない)かについて語ります。分析的であり続けましょう。これ嫌い!みたいな感情的な反応がある場合、なぜそのように感じているかを掘り下げましょう。
●うまくいっているものを確認するべし ― 常に、うまく機能しているものを忘れずに口に出します。そうしないと、次々に設計を繰り返す中で、素晴らしいアイデアが失われてしまう可能性があります。
●第一に問題、次にソリューションであるべし ― 新しいデザインのアイデアを思いつくのは、素晴らしいことです!他のみんなもたいていそう思っています。そこで、解決ソリューションについて主張するのではなく、一歩下がって最初に現在のデザイン上の問題を議論することから始めます。利口な人は、その次に説得力のある適切なソリューションを共有します。
●指示ではなく、提案するべし ― どんなに新しいアイデアでも、指示ではなく提案として出しましょう。これは、抽象的なアイデアは、具体的なものよりも良いように見えてしまうことが多いからです。新しいデザインの方向性を探せば、自分自身で解決策を呼び寄せられるはずだと、デザイナーたちを信頼しましょう。
●楽しむべし! ― 人間はストレスを感じているとき、あまり創造的にはなれません。しかし、遊んでいるときには、はるかに簡単に可能性に満ちた広い世界に気付くことができます。ですから、ムードをよくするためには何でもしましょう。参加者が部屋に入ってくる時には音楽を流しておく、会議の最初に面白いYouTubeビデオを見ることから始める、ボールで遊ぶことから始める、皆を起立させる、快適な場所を選ぶなどです。
◆ファシリテーター(進行役)になれるかもしれない6つの特徴
6 signs that you might be a facilitator
https://jackiecolburn.medium.com/6-signs-that-you-might-be-a-facilitator-93fc4b2b2a85
ファシリテーター(ワークショップの進行役)を専業とする Jackie Colburn さんの記事。こんな人はファシリテーターに向く&ファシリテータになりたいならこういう要素を身につけるといった記事です。
●その場でいろいろ振り返る
●構造化されていない、冗長な会議を整理したり、推進したりしたい
●気がつけばホワイトボードに図解している
●会議の議題を整理するために、参加者はあなたを頼りにしている
●会議では質問することで、あいまいな物事を明瞭化していく
●多少相手が嫌がっても、物事が明確になるまで手を抜かない
こういった資質をもった人、持とうと考えている人は、ファシリテーターに最適だそうです!
◆Miroの新しいボード紹介
オンラインホワイトボード Miro のテンプレート紹介サイト Miroverse からワークショップ系の新しいテンプレートをいくつか紹介します。
●Diagnostic Workshop(診断ワークショップ)
https://miro.com/miroverse/diagnostic-workshop/
●Team Values & Behaviours Workshop(チームの価値と振る舞いを考える)https://miro.com/miroverse/team-values-behaviours-workshop/
●24h Innovation Design Thinking Board(24時間デザインハッカソン用ボード)https://miro.com/miroverse/24h-innovation-design-thinking-board/
●Building Team Collaboration Workshop(チームコラボレーション構築)
https://miro.com/miroverse/building-team-collaboration-workshop-sitvjf8itx6jzduk/
●Product Design Principles Workshop(プロダクト原則設計ワークショップ)https://miro.com/miroverse/product-design-principles-workshop/
●"How Might We" Questions(デザインスプリント定番のHMW質問ボード)https://miro.com/miroverse/how-might-we-questions/
●Sustainability Goal-Setting Workshop(サステナビリティ目標設定ワークショップ)https://miro.com/miroverse/sustainability-goalsetting-workshop/
◆Zoom待機室のデザインが変更
Zoomで「待機室」と「ホストより前に参加」の画面が統合され、[ホストがこのミーティングを開始するのをお待ちください] ウィンドウと [待機室] ウィンドウが一つにまとまりわかりやすくなりました。ちょっとしたことですがこういう改善はありがたいですね。zoooooom というアイコンがちょっとイケてないですけどね。
海外の知人らと、BookClub を始めました。1冊の本を1章ごとに各自で読んで、毎週少しずつ感想や知見を交換しあうユルい試みです。一人で読んでいる時には気づけなかったことや、新たな考えや自分にはなかった視点を取り入れることができ、とても有益な時間です。積ん読もはかどります!?
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