【デザインスプリント】Design Sprint Newsletter #025
最高の学びは道を極めた人を見ること / The greatest education in the world is watching the masters at work.
◆2021年を振り返って Miro のベストテンプレート Top10
Best of Miroverse: Your 10 most visionary templates from 2021
https://miro.com/blog/best-of-miroverse-10-favorite-templates-from-2021/
1位:Sailboat Retrospective Template:ヨットを使った振り返り手法用テンプレート
2位:The Check-In Icebreaker:一番最初に打ち解けるためのアイスブレイク用
3位:Emotions Wheel Icebreaker:感情の輪を使ったアイスブレイク用
4位:Monster Workshop:モンスターを作るワークショップ用素材
5位:Participant Onboarding Playground:参加者を最初に向かい入れるための素材
6位:Minimum Viable Brand Workshop:必要最小限のブランドを考える
7位:Skill Cards:スキルカード製作のための素材
8位:5-Day Virtual Design Sprint:5日で実施するオンラインデザインスプリント用
9位:Problem Statement Map:問題提起をマッピングするためのテンプレート
10位:Effective Meetings:効果的なミーティングのためのテンプレート
◆MURALがオススメする今年のベストブログ記事Top10
The 10 Best MURAL Blog Posts of the Year
https://www.mural.co/blog/10-best-posts-2021
1位. Online warm ups & energizers
オンラインウォームアップ&エネルギーと活力人に与える
2位. A team charter template you can use today
今すぐ使えるチームメンバー紹介のテンプレート
3位. Announcing MURAL free
MURAL無料版の発表
4位. The 6 Ps of facilitation needs
ファシリテーションに必要な6つのP
(Purpose目的, Position位置づけ, Process工程, Participation参加方法, People人, Power力関係)
5位. 5 skills for getting started with MURAL
MURALを使い始めるための5つのスキル
6位. How to create a meaningful product vision
意味のあるプロダクトビジョンを作るには
7位. Making collaboration work: A guide for remote and hybrid teams
コラボレーションを成功させる。リモート&ハイブリッドチームのためのガイド
8位. Announcing collaborative diagramming and mapping made easy
コラボレーションによるダイアグラムとマッピングが簡単に
9位. 5 principles for making hybrid collaboration work
ハイブリッドコラボレーションを成功させるための5つの法則
10位. Here’s a virtual water cooler to gather around with your team
チームで集うためのバーチャル・ウォーター・クーラー(非公式な情報交換の場)
◆会議で健全な対立を促すための4つの戦略(ハーバードビジネスレビュー)
デザインスプリントの場では、真剣になればなるほど一見「対立」に見えるような意見のぶつかり合いが起こることがあります。デザインスプリントでは個人とアイデアを切り離し、どのアイデアも皆のアイデアだと考えますし、アイデアに欠点があるからといって、そのアイデアを出した人に欠点があるとは誰も考えません。
その一方、なにも意見のぶつかり合いのないディスカッションが本当に良いのか?本当に全ての可能性について話し合われているのか?と考えると、もしかしたら意見がぶつかり合うくらい白熱した方が良いと考える人もいるかもしれません。
ハーバードビジネスレビューの「How to Foster Healthy Disagreement in Your Meetings / 会議で健全な対立を促すための戦略」という記事では、4つのポイントが紹介されています。
How to Foster Healthy Disagreement in Your Meetings
https://hbr.org/2021/11/how-to-foster-healthy-disagreement-in-your-meetings
●目的を明確にすること
●データに目を向けること
●複数の解釈を促す
●現状を打破する
特に「複数の解釈を促す」は、デザインスプリントにとっても大切な要素で、デザインスプリントではそういったことが起きやすいよう、様々な職種、さまざまな立場からの多様性を持った参加者を集めるようにしています。そういった参加者の中でも「複数の解釈」を意識的に考えることによってさらに良い議論ができるのではないかと考えています。時には自分と反対の考えを持つ人の解釈や、違う立場で物事を解釈してみるのも、視野を広げる意味で良い効果を持たらすかもしれません。
◆Post-It アプリ Material Design Award 2021 受賞
Googleが提唱する Material Design を活用した秀でたアプリに賞を授与するアワード、Material Design Award 2021 の受賞者の一つのモーション部門で Post-It の公式アプリが受賞していました。Post-It アプリは、壁に貼り付けたポストイットの写真を撮影すると、1枚1枚分割してアプリ内で整理できるという、便利なアプリです。iOS版もありますが、Android版はUIの動きが絶妙で、モーション部門の受賞も納得です。
Material Design Award Winners 2021
https://material.io/blog/mda-2021-winners
◆イベント紹介:2022年1月27日(木)となりのデザインスプリント
となりのデザインスプリント〜あの新規事業はこうして生まれた〜
https://cookpad.connpass.com/event/234015/
デザインスプリントをプロダクト開発に取り入れているオンラインレシピ Cookpad より2022年1月27日(木曜日)の夜、デザインスプリントの無料イベントが告知されました。
内容はデザインスプリントの組織への導入と活用について、新機能開発の事例について、新事業立ち上げ期の活用について、といった現場に即した内容が予定されています。
Cookpadというと、数年前デザインスプリントのレクチャーを手伝う機会を頂きました。その後とても意欲的に組織に展開し、デザインスプリントがプロダクト開発に生かされています。またデザインスプリントの活用分野はプロダクト開発の領域に収まらず、社内業務や間接部門などでも活用されているとも聞いています。
実際、デザインスプリントをやってみても組織に浸透させるのはなかなか難しい中、Cookpad では、いつでも思いついた時にすぐにデザインスプリントできるよう、環境も体制も整っているそうで、そのあたりの詳しい話が聴けるのではないかと期待しています。
ちなみに少し前に引っ越されたCookpad横浜みなとみらいの新オフィスは、オフィス内に緑があふれ、ゆったりとしたとても過ごしやすいオフィスです。ありがたいことに、いちど訪問させて頂く機会がありました。食べ物にまつわる植物がオフィス内で栽培されており、「食」を身近に感じることできる居心地の良いオフィスでした。残念ながらこのご時世、今回のイベントはオンライン開催ですが、機会があればみなさんにも一度は訪れて頂きたいオフィスのひとつです。
たぶんテレビ番組「突撃!隣の晩ごはん」をもじったタイトルのような気がするのですが、ほんとうのところはどうなのだろう?とても楽しみにしているイベントです。
◆学びのための体験デザイン Learning Experience Design
User eXperience Design はもちろんのこと「なんとか Experience Design」はいろいろあります。Customer eXperience, Employee eXperience などなど。CXもEXもどちらも大切で、働く人たちを犠牲にして顧客に良いサービスを提供しても長続きしませんし、逆に働く人たちの自由奔放なワガママを熟慮せずに自由にさせてしまっても簡単には良い状況にはならないと考えられています。
例えば、店舗サービスにおいて、商品をスピーディーに探せるよう工夫してあれば、従業員にとっても顧客にとっても良い環境と言えるでしょう。支払いがスムーズに済ませられることや、商品について適切な知識を持っていることも、従業員と顧客両方にとってメリットがあるハズです。
そういった CX, EX に続き、最近では Learning Experience Design (LX または LXD) という分野が注目されるようになってきました。教師と生徒といった人に何か教えるための考え方や手法は「インストラクショナルデザイン」として古くからある考えではありますが、それらを「Learning Experience」と切り取って考えると、実はまだまだ考えるべきこと、深掘りしがいのある事柄が潜んでいるように思われます。
NovoEd社の「5 Step To Learning Experience Design」というホワイトペーパーでは、次の5つの段階について解説されています。
●学習者のことを理解する
●目標を設定する
●活動や体験をデザインする
●学習をサポートするコンテンツを準備する
●配布と評価
5 Step To Learning Experience Design
https://cdn2.hubspot.net/hubfs/559363/NovoEd%20Whitepaper%20-%205%20Steps%20to%20Learning%20Experience%20Design%20(Jan%202019)%20(3).pdf
こういった適切な学習のための設計を少し工夫するだけで、押し付けではない、自然と学びに繋がる流れができることがわかっており。これは若い学生だけでなく社会人、時には人生経験を積んだ人にとってもよりよく学習する体験が得られます。
僕が Learning eXperience Design について気を配っているのは次のようなポイントです。普段からこれら全部を満足するのは難しいですが、ちょっと気を配るだけでも学習効果に良い影響を与えることができるはずです。
■何を教えるのか最初にはっきりさせる。教える理由をはっきりさせる
■学びに集中する。余計な話題に脱線しない
■成功の基準、評価の基準をはっきりさせる
■何かを見せただけで終わらず、実際に手を動かしてやってもらう
■意味ある行動を引き出す。引き出した行動はすぐに強化する。何度も強化する
■正答を教える。正答だけではなく誤答を教える。誤答から教える時もあり
■学び手を知る。学び手は常に正しい。たいてい教える方が教え方を間違っている
■学んでいると思わせずに楽しませる。学びを楽しませる
■個人差に配慮。進んでいる人が退屈しないよう、遅れている人が焦らないよう
■「分かりました」で安心しない。たいていはちゃんと分かっていない
■改善に役立つ評価をする。批判しない。無理やりにでも褒める
◆IDEOのディープ・ダイブ 伝説のショッピングカート
デザイン思考の手法が社会に認知された、ひとつの大きなきっかけであった、IDEOのDeep Dive という取り組み。米国ABCの1999年のテレビ番組です。5日間で新しいショッピングカートを考えるというもの。今のデザインスプリントの起源とも言えるかもしれません。いままで断片的には観たことがあったのですが、その映像をYouTubeで見つけましたのでご紹介します。
IDEO - Deep Dive
https://www.youtube.com/playlist?list=PL325E43F8CF72C37B
◆さて、もうすぐ 2021年が終わろうとしています。短いようで長いようで短かった1年を振り返ってみてはいかがでしょうか。年内あともう一回くらいニュースレター送れるといいかな….. Happy Holidays !
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